田中です。
為末大氏の書籍「熟達論」の最初の段階「遊」の中から響いたものをもう一つ。
「重圧」
「問題は重圧を感じることや緊張する事ではなく、重圧によって心が守りに入ってしまうこと。最も悪い形は失う事を回避しようとする場合。人間の心はもう手に入りそうだと感じると、同時に失いたくないという恐れを抱く。既に手に入ったという幻を見てしまい、それを失いたくないと考え、動きが小さくなり、思い切りも躍動感もなくなり、一旦心が守りに入るとあっという間に転落していく。欲しくてしょうがないものを「どうでもいい」と思い込む事は難しい。緊張するからと目を背けたところで自分を誤魔化すことは出来ない」
重圧の姿をメチャクチャ鮮明描いていますよね。メチャクチャ頷いて読んでいました。その問題を回避する事も書かれていました。
「人間はプロセスに没頭している間は自然に動ける。我に返り、状況を客観的に見てしまい、勝敗を意識することで緊張が生まれる。だから全てをプロセスにすることが重要で、そのために目的を持たずただ楽しいからやる「遊」の感覚が効く」
どこにピントを合わせるのかが大切だと書かれていました。根底にあるものの差がこういう場面で現れるんですね。